この3月、「何も決めきれなかった」と感じているあなたへ
3月中旬。
保育士向けの転職サイトやSNSでは、「4月入職」「新年度スタート」「今がラストチャンス」といった言葉が、これでもかというほど並び始めます。
その一方で、あなたは今、こんな気持ちを抱えていないでしょうか。
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転職しようと思っていたけれど、結局決めきれなかった
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求人は見ていたのに、「ここだ」と思える園がなかった
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今の園に不満はある。でも、辞めるほどなのか分からない
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気づけば3月。もう動くには遅い気がしている
もし一つでも当てはまるなら、まず最初にお伝えしたいことがあります。
転職しなかったあなたは、間違っていません。
4月を前に「何も変えられなかった自分」を責めてしまう人は、とても多いです。
でも実はこの時期、「勢いで動かなかった」という選択をした人こそ、真面目で、保育に向き合っている人でもあります。
なぜなら、本当にしんどい人ほど、
「とにかく辞めたい」ではなく
「次は失敗したくない」と慎重になるからです。
「条件が良い園」なのに、なぜ続かなかったのか
これまで多くの保育士が、こんな転職を経験してきました。
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給与が上がると聞いて入った
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休みが増えると言われて転職した
-
人手不足じゃない園を選んだつもりだった
それなのに数か月、あるいは1年もしないうちに、また同じような悩みを抱えてしまう。
「前より条件は良いはずなのに、なぜか苦しい」
「園が悪いわけじゃない。でも、自分が合っていない気がする」
この違和感の正体は、能力不足でも、根性不足でもありません。
多くの場合、それは “保育観のズレ” です。
保育観とは、「理念」ではなく「日々の判断基準」
保育観という言葉を聞くと、
「園の方針」「保育理念」「教育方針」といった、少し堅いものを想像するかもしれません。
でも実際の保育現場で影響が大きいのは、もっと日常的な部分です。
こうした 小さな判断の積み重ね が、その園の保育観です。
そして、この保育観が合わないと、毎日少しずつ心がすり減っていきます。
「合わない園」で起きやすい3つのこと
保育観が合わない職場では、こんな感覚が積み重なりがちです。
1つ目は、なぜ注意されているのか分からない という感覚。
自分なりに考えて行動しているのに、「違う」と言われる理由が腑に落ちない。
2つ目は、頑張っても評価されない という虚しさ。
褒められる人の行動基準が、自分の大切にしているものと違う。
3つ目は、「自分がズレているのかもしれない」と思い始めること。
本当は相性の問題なのに、自信だけが削られていきます。
こうして、「辞めたいけど、次も失敗したらどうしよう」という不安が生まれ、転職に慎重になるのです。
3月に決めきれなかったあなたは、立ち止まれた人
ここで、もう一度お伝えします。
3月中旬まで悩んで、結局転職を決めなかったあなたは、
「何もしていなかった人」ではありません。
むしろ、
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自分にとって何が大切かを考え
-
軽い気持ちで環境を変えず
-
「合わなかったらまた辞める」転職を避けようとした
立ち止まる判断ができた人 です。
4月を迎えることは、負けでも妥協でもありません。
それは、「次をちゃんと選ぶための時間を取った」という選択でもあります。
新年度は、「答えを出す時期」ではなく「観察する時期」
4月からの1年は、必ずしも「我慢の1年」である必要はありません。
新年度は、園の体制、職員の動き、保育の価値観が最もはっきり見える時期です。
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誰がどんな役割を担っているのか
-
忙しい時に、園は何を優先するのか
-
職員同士が、どう声を掛け合っているのか
これらを意識して見ることで、
「自分はどんな保育を大切にしたいのか」
「どんな園なら長く続けられるのか」
が、少しずつ言葉になっていきます。
転職は、「今すぐ」じゃなくていい
転職市場には、どうしても「動かなきゃ損」という空気があります。
でも、保育の仕事は、急いで決めた人ほど後悔しやすい仕事でもあります。
4月を今の園で迎えることは、
あなたのキャリアが止まることではありません。
むしろ、
「次は、条件よりも保育観で選ぼう」
そう考え始めた時点で、もう一歩前に進んでいます。
この先、転職するかどうかは、4月以降に決めてもいい。
大切なのは、「焦らず、自分の基準を持つこと」。
この記事が、
「何も決められなかった3月」を
「自分を整理できた3月」に変えるきっかけになれば幸いです。
第1章|「自分の保育観」を整理する。転職しなくてもできる、大切な準備
転職を考え始めたとき、多くの保育士が最初にやるのは「求人を見ること」です。
給与、休日、勤務時間、園の規模、通勤距離――。
もちろん、どれも大切な要素です。
けれど、これまで転職を経験した人ほど、こんな実感を持っているのではないでしょうか。
条件は悪くなかった
でも、なぜかしんどかった
「合っていない」という感覚が消えなかった
その原因の多くは、自分の保育観を整理しないまま、環境だけを変えてしまったことにあります。
だからまず必要なのは、「次にどんな園を選ぶか」ではなく、
「自分は、どんな保育を大切にしたい人なのか」を知ることです。
そしてそれは、転職しなくても、今すぐにでも整理できます。
保育観は「立派な言葉」でなくていい
最初にお伝えしたいのは、
保育観は、きれいに言語化できなくていいということです。
「子どもの主体性を大切にしたい」
「一人ひとりに寄り添う保育をしたい」
こうした言葉が間違いというわけではありません。
ただ、それだけでは園との相性までは分からないのです。
本当に大切なのは、もっと具体的で、少し生々しい部分です。
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忙しい時、どこまで丁寧でいたいのか
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正解がない場面で、何を優先したいのか
-
「これは嫌だ」と感じる瞬間はどこか
ここからは、いくつかの質問を通して、
あなた自身の保育観を少しずつ浮かび上がらせていきます。
チェック①「楽しかった瞬間」を思い出す
まずは、これまでの保育の中で、
「あの時は楽しかった」「やっていてよかった」と感じた場面を思い出してください。
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子どもと一対一でじっくり関われた時間
-
クラス全体が落ち着いて流れていた一日
-
行事をやり切った後の達成感
-
同僚と協力して乗り切れた忙しい日
ここで大切なのは、「上手くできたか」ではありません。
心が軽かったか、前向きだったかです。
もし思い出す場面が「静かな日常」に多いなら、
あなたは安定したリズムや、丁寧な関わりを大切にするタイプかもしれません。
反対に、「行事」や「イベント」が浮かぶなら、
チームで一つのものを作ることにやりがいを感じるタイプとも言えます。
チェック②「一番つらかった注意」は何だったか
次に、少しだけしんどい振り返りをしてみてください。
これまでで、
一番納得できなかった注意・指摘は何だったでしょうか。
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「そこまでしなくていい」と言われた
-
「もっと周りを見て」と言われ続けた
-
「保護者対応が甘い/冷たい」と言われた
-
「空気を読んで」と言われた
このとき、
「自分が未熟だったから」と片付けなくて大丈夫です。
なぜなら、強い違和感が残る注意は、
あなたが大切にしている価値観を否定された時に起きやすいからです。
丁寧に関わりたい人は、「効率重視」の注意が苦しくなりやすい。
逆に、全体を見る力を大切にしている人は、「一人に集中しすぎ」と言われるとしんどくなります。
どちらが正しい、ではありません。
向いている環境が違うだけです。
チェック③「これは無理」と感じるラインを知る
次は、「嫌だったこと」「続けられないと感じたこと」を挙げてみましょう。
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人手不足が慢性化している
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意見を言うと面倒な人扱いされる
-
ミスを共有できない雰囲気
-
常に急かされる保育
-
感情論で注意されること
ここで大切なのは、
「我慢できたかどうか」ではありません。
これが続いたら、自分は確実に疲弊する
そう感じるラインを知ることです。
この「無理のライン」が分かっていないと、
また同じような園を選んでしまいがちです。
チェック④ 子ども・同僚・保護者、どこに一番気を使っているか
あなたは、日々の保育の中で、
誰に対して一番エネルギーを使っているでしょうか。
どれが多い・少ないが良い悪いではありません。
例えば、
子どもとの関わりを最優先したい人が、
保護者対応重視の園に入ると、強いズレが生まれます。
反対に、
チームワークを大切にしたい人が、
個人主義の強い園に入ると孤独を感じやすくなります。
自分がどこに一番気を使っているかは、
自分が何を大切にしたいかとほぼ一致します。
チェック⑤「今の園で、少し楽な瞬間」はどこか
転職を考えている人ほど、
今の園の「嫌なところ」ばかりに目が向きがちです。
でも、あえて聞きたいのです。
今の園で、
ほんの少しでも楽だと感じる瞬間はありませんか。
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特定の同僚と組んでいる時間
-
特定の年齢クラス
-
行事がない時期
-
書類が少ない日
それは、「今の園が良い」という話ではありません。
あなたが合いやすい保育環境のヒントです。
次の職場を選ぶとき、
この「楽な瞬間」を再現できる園かどうかは、とても重要になります。
まとめ|答えは出さなくていい。ただ、言葉にしてみる
ここまで読んで、
「結局、よく分からない」と感じた人もいるかもしれません。
それで大丈夫です。
保育観は、
一度で明確になるものではありません。
経験を重ねる中で、少しずつ輪郭がはっきりしていくものです。
大切なのは、
これを自分の中で放置しないことです。
転職しなかったこの3月は、
「動けなかった時間」ではなく、
「自分を整理できる時間」でもあります。
次に園を選ぶとき、
今日考えたことは、必ずあなたを守ってくれます。
焦らなくて大丈夫です。
準備は、もう始まっています。
第2章|東海地方の保育園に多い「保育観の傾向」
― 岐阜・愛知・三重で、働きやすさが分かれる理由 ―
保育園選びをするとき、
「どんな園か」は気にしても、
「どんな地域性があるか」まで意識する人は、実はそれほど多くありません。
けれど、同じ“保育士”という仕事でも、
地域が違えば、園の空気や大切にされやすい価値観は確実に違います。
ここでいう地域性とは、
「都会か田舎か」「人口が多いか少ないか」だけではありません。
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保護者との距離感
-
行政との関係性
-
人の入れ替わりの多さ
-
園が地域に果たしている役割
こうした要素が重なり合って、
その地域ならではの「保育観の傾向」をつくっています。
この章では、
岐阜・愛知・三重の保育園に多く見られる傾向を紹介します。
どれも良い・悪いではなく、合う・合わないの話です。
岐阜県|「地域と一緒に育てる」保育が根づきやすい
岐阜県の保育園でよく見られるのは、
地域との距離が近い保育です。
-
卒園児の兄弟が通ってくる
-
保護者同士がもともと知り合い
-
地域行事と園行事が重なりやすい
こうした環境では、
保育園は「預かる場所」というより、
地域の一部として存在していることが多くなります。
そのため、岐阜ではこんな保育観が重視されやすい傾向があります。
-
保護者との信頼関係を何より大切にする
-
丁寧で、角の立たない対応
-
長く続く人間関係を前提とした振る舞い
この環境が合うのは、
-
一人ひとりとじっくり関わりたい人
-
保護者対応にやりがいを感じられる人
-
落ち着いた雰囲気の中で保育をしたい人
一方で、
-
プライベートと仕事をきっちり分けたい
-
距離感を保って働きたい
-
人間関係の濃さが苦手
という人にとっては、
「息が詰まる」と感じやすい面もあります。
岐阜の園でしんどさを感じる人は、
仕事量よりも人間関係の密度に疲れているケースが少なくありません。
愛知県|園ごとの差が大きく、保育観も二極化しやすい
愛知県は、東海地方の中でも
園の多様性が非常に大きい地域です。
都市部・郊外・工業地帯・住宅地が混在し、
法人規模も、小規模園から大手法人まで幅があります。
そのため愛知では、
「愛知の保育園はこうだ」と一括りにはできません。
ただし、あえて傾向を挙げるなら、
保育観が二極化しやすいという特徴があります。
一つは、
-
マニュアル重視
-
効率・安全・統一感を大切にする
-
職員の役割分担が明確
いわゆる「組織として整った保育」を目指す園。
もう一つは、
-
現場裁量が大きい
-
個々の保育士の考えを尊重
-
園ごとの色が強い
「人に任せる保育」を大切にする園です。
この差が大きいため、
愛知で転職がうまくいかない人は、
園選びの軸が曖昧なまま応募していることが多いです。
愛知で働くなら、
「どんな保育がしたいか」を言葉にできているかが、
働きやすさを大きく左右します。
三重県|「安定」と「人の良さ」が強みになりやすい
三重県の保育園でよく聞かれるのは、
「人が穏やか」「職員同士の関係が安定している」という声です。
-
長く勤めている職員が多い
-
異動や退職が比較的少ない
-
園全体の雰囲気が落ち着いている
こうした環境では、
波風を立てないことが暗黙の保育観になることがあります。
-
大きな改革より、これまでのやり方を尊重
-
急な変化を好まない
-
周囲に合わせる姿勢が評価されやすい
この環境が合うのは、
-
安定した人間関係の中で働きたい人
-
コツコツ積み上げる保育が好きな人
-
強い主張をしなくても安心して働きたい人
一方で、
-
新しい取り組みをしたい
-
意見を積極的に出したい
-
変化やスピード感を求めたい
という人には、
「物足りない」「息苦しい」と感じることもあります。
三重では、
仕事内容より“空気感”が合うかどうかが、
働きやすさに直結しやすい地域と言えるでしょう。
地域差を知ることは、「逃げ」ではなく「戦略」
ここまで読んで、
「地域でこんなに違うんだ」と感じた人もいるかもしれません。
でもこれは、
「どこが楽か」を決める話ではありません。
自分の保育観と、環境の相性を知るための材料です。
-
人間関係の濃さが向いているか
-
組織的な保育が合うか
-
安定を重視したいか、変化を求めたいか
これを知らずに転職すると、
「また合わなかった」という結果になりやすいのです。
まとめ|「地域×保育観」を知ると、園選びは一段楽になる
転職を考えるとき、
どうしても「園そのもの」だけを見てしまいがちです。
でも実は、
地域性を知るだけで、合わない選択肢を最初から外すことができます。
3月に転職を決めきれなかったあなたは、
まだ白紙の状態です。
だからこそ、
この二つを組み合わせて考えられる、
とても良い位置にいます。
次の章では、
この「保育観」をもとに、
求人票や園見学で“合う園”を見抜く具体的な方法をお伝えします。
焦らなくて大丈夫です。
選び方が変われば、結果も変わります。
第3章|求人票・園見学で「保育観の合う園」を見抜く方法
― 条件よりも、空気を見るという視点 ―
「自分の保育観」
「東海地方の地域的な傾向」
ここまで整理してきたことで、
頭では分かってきたけれど、こんな不安も残っているかもしれません。
でも実際、求人票を見ても
どの園が合うかなんて分からない
見学に行っても、
良いところしか見せてくれないのでは?
その感覚は、とても自然です。
なぜなら、多くの園は“保育観”をはっきり言葉にしていないからです。
だからこそ大切なのは、
「書いてあること」を鵜呑みにするのではなく、
“にじみ出ているもの”を読み取る視点です。
この章では、
求人票・園見学・面接という3つの場面で、
保育観を見抜くための具体的なポイントをお伝えします。
求人票①|「よくある言葉」をどう読むか
求人票には、どの園にもよく出てくる言葉があります。
-
アットホームな職場
-
チームワークを大切に
-
明るい雰囲気
-
子ども一人ひとりを大切に
これらは、間違ってはいません。
ただし、これだけでは何も分からないのが正直なところです。
ここで見るべきなのは、
その言葉が、どこで・どんな形で使われているかです。
例えば、
「チームワーク」を強調している園でも、
-
行事や業務分担の説明が具体的
-
職員配置やサポート体制が書かれている
こうした情報があれば、
「協力し合う前提の園」である可能性が高くなります。
反対に、
抽象的な言葉だけが並び、
具体的な働き方が見えない場合は、
「空気で回っている園」の可能性もあります。
求人票②|業務内容の“書き方”に注目する
次に注目してほしいのが、業務内容の書き方です。
-
「保育業務全般」とだけ書かれている
-
行事・書類・保護者対応の記載が極端に少ない
-
忙しさや大変さに一切触れていない
こうした求人票は、
悪意があるわけではありませんが、
現場のリアルをあまり言語化していない園であることが多いです。
一方で、
-
行事の頻度
-
書類の量やICT化の状況
-
保護者対応の方針
が具体的に書かれている園は、
「何を大切にしているか」を比較的オープンにしています。
丁寧さを大切にしたい人ほど、
業務内容が具体的な園の方が、
入職後のギャップは小さくなりやすいです。
求人票③|「求める人物像」は、そのまま園の価値観
「こんな方を歓迎します」という欄は、
保育観が最もストレートに出る部分です。
-
明るく元気な方
-
柔軟に対応できる方
-
周囲と協調できる方
-
主体的に動ける方
ここで大切なのは、
「自分が当てはまるか」ではなく、
なぜ、その言葉が選ばれているかを考えることです。
例えば、
「柔軟に対応できる方」が強調されている場合、
現場で急な変更や判断が多い可能性があります。
「協調性」が何度も出てくる場合、
個人の裁量より、チームの足並みを重視する園かもしれません。
これは良し悪しではありません。
自分の保育観と合うかどうかを見る材料です。
園見学①|子どもより「大人」を見る
園見学に行くと、
どうしても子どもの様子に目が行きがちです。
もちろんそれも大切ですが、
保育観を見抜くうえで、
実は一番ヒントが多いのは 大人の様子 です。
-
職員同士の声かけ
-
忙しい時の表情
-
保育中の会話のトーン
-
誰が指示を出しているか
例えば、
声を掛け合いながら動いている園は、
チームワーク重視の保育観が根づいている可能性が高いです。
反対に、
会話がほとんどなく、
それぞれが黙々と動いている場合は、
個人裁量型、もしくは余裕の少ない現場かもしれません。
園見学②|「きれいさ」より「違和感」を覚えておく
園見学では、
良いところを見せてくれるのが当たり前です。
だからこそ、
「きれい」「整っている」よりも、
小さな違和感を覚えておくことが大切です。
-
職員の表情が硬い
-
誰かだけが忙しそう
-
説明と現場の様子が噛み合わない
その場では気にならなくても、
後からじわじわ思い出す違和感は、
入職後に大きくなることが多いです。
「気のせいかも」と流さず、
一度、立ち止まって考えてみてください。
面接|「聞いていい質問」と「聞かなくていい質問」
面接では、
「何を聞いたら失礼か」を気にする人が多いですが、
保育観を知るために、聞いていい質問はあります。
例えば、
これらは、
責める質問ではなく、
園の価値観を知るための質問です。
一方で、
-
「残業は本当にゼロですか」
-
「人間関係は良いですか」
といった質問は、
答えが建前になりやすく、
あまり判断材料になりません。
「今は転職しない」人にこそ、この視点が役に立つ
ここまで読んで、
「もう3月だし、今から見学なんて…」
そう感じた人もいるかもしれません。
でも、この章でお伝えした視点は、
今すぐ転職する人だけのものではありません。
-
求人票を見る目が変わる
-
園の話を聞く時の受け取り方が変わる
-
今の園を客観的に見られるようになる
それだけでも、
「なんとなくしんどい」が
「合っていない理由」に変わります。
まとめ|選び方が変われば、焦らなくてよくなる
転職で疲れてしまう一番の原因は、
「早く決めなきゃ」という焦りです。
でも、
保育観という軸があれば、
選択肢は自然と絞られていきます。
4月を今の園で迎えることは、
立ち止まることではありません。
見る目を育てる時間です。
次の章では、
「それでも迷う時、どう考えればいいのか」
――転職する・しないの判断軸について書いていきます。
第4章|それでも迷うときに考えてほしい、転職する・しないの判断軸
― 4月を迎える前に、自分に問い直してほしいこと ―
ここまで読み進めてきたあなたは、
きっともう気づいているはずです。
転職の悩みは、
「辞めるか・辞めないか」という二択では整理できない、
もっと複雑で、もっと個人的な問題だということに。
3月中旬。
4月を前にして、今も多くの保育士が迷っています。
-
今の園に不満はある
-
でも、辞める決定打があるわけでもない
-
かといって、このままでいいとも思えない
この状態で一番つらいのは、
「何も決められていない自分」を責めてしまうことです。
でもまず、はっきり言います。
迷っている時点で、
あなたはもう「考えること」を放棄していません。
それだけで、十分に前に進んでいます。
「今すぐ辞めるべき人」と「今は動かなくていい人」は違う
転職を勧める記事の多くは、
「限界なら辞めよう」「無理は美徳じゃない」と言います。
それは確かに正しい。
でも同時に、全員に当てはまる正解ではありません。
判断のポイントは、
「しんどいかどうか」だけではなく、
しんどさの“質” にあります。
例えば、
-
体調を崩し続けている
-
朝、園に向かうだけで強い不安が出る
-
価値観を否定され続け、自信が削られている
こうした状態が続いているなら、
それは環境を変えるサインです。
一方で、
この場合は、
今すぐ結論を出さなくてもいい可能性があります。
「耐えられるか」ではなく、「回復できるか」で考える
転職を迷う人ほど、
こんな考え方をしてしまいがちです。
もう少し我慢できる
みんな同じようにやっている
自分が弱いだけかもしれない
でも、本当に大切なのは、
我慢できるかどうかではありません。
-
休みの日に、少しでも気持ちが戻るか
-
誰かに話したあと、少し楽になるか
-
「こうだったらいいのに」と前向きに考えられるか
こうした 回復の感覚 が残っているかどうか。
もし、
疲れが抜けない
何をしても気持ちが沈む
考える気力もなくなっている
そんな状態なら、
それは「様子見」ではなく、
自分を守る判断が必要なサインです。
「4月を迎える=何も変わらない」ではない
4月を今の園で迎えることに、
不安や後ろめたさを感じる人は少なくありません。
でも実際には、
4月を迎えることで見えてくることも、たくさんあります。
-
新しい体制で、園の本音が見える
-
人の動きから、価値観がよりはっきりする
-
自分がどこで一番疲れるか、分かりやすくなる
これは、
次に動くための情報が増えるということです。
転職は、
「勢いがある時」よりも、
「自分の判断軸がはっきりした時」の方が、うまくいきます。
今は、その準備段階でもあります。
「辞めたい理由」と「続けたい理由」を並べてみる
もし迷っているなら、
一度、紙やスマホに書き出してみてください。
どちらが多いかではなく、
どちらが“重い”かを見るためです。
例えば、
辞めたい理由が
「忙しい」「給料が安い」
続けたい理由が
「子どもとの関係」「一緒に働く人」
この場合、
簡単には割り切れない迷いがあるのは自然です。
逆に、
辞めたい理由が
「尊重されない」「否定され続ける」
続けたい理由が
「慣れているだけ」
なら、
環境を変える価値は高いかもしれません。
転職は「今するか」「しないか」ではなく、「どう備えるか」
ここまで読んでくださったあなたに、
一つだけ伝えたいことがあります。
転職は、
決断の速さで評価されるものではありません。
むしろ、
-
自分の保育観を理解し
-
合わない環境を知り
-
見極める目を持つ
このプロセスを踏んだ人ほど、
次の職場で長く、穏やかに働けています。
今は、
「決めきれなかった自分」を責める時期ではありません。
考え続けている自分を、少し認めてあげる時期です。
まとめにつなぐために|あなたは、もう一歩進んでいる
3月中旬。
まだ何も決めていないように見えても、
-
自分の保育観を言葉にし
-
地域の傾向を知り
-
園を見る視点を持ち
-
判断軸を考え始めている
ここまで来たあなたは、
数か月前の自分とは、もう違います。
次の「まとめ」では、
この一連の話を、
「4月を迎えるあなたへのメッセージ」としてまとめてみます。
最後に|4月を迎えるあなたへ。転職しなかった3月は、無駄じゃない
3月中旬。
転職サイトを閉じて、スマホを置いたあと、
「結局、何も決められなかったな」と感じている人もいるかもしれません。
でも、この記事をここまで読んでくださったあなたは、
本当に「何もしていなかった」のでしょうか。
自分の保育観を振り返り、
これまで楽しかった瞬間や、つらかった言葉を思い出し、
地域ごとの園の傾向を知り、
求人票や園見学を見る目を少し変えてみた。
そして、
「辞める・辞めない」を感情だけで決めずに、
自分なりの判断軸を持とうとしてきました。
それは決して、立ち止まっていた時間ではありません。
ちゃんと前に進んでいた時間です。
転職しなかったことは、「諦め」ではない
世の中には、
「動いた人」だけが評価されるような空気があります。
でも、保育の仕事においては、
動かなかった選択が、未来を守ることもあるのです。
勢いで選んだ園で、
また同じように悩み、
また自信を失ってしまうよりも、
「次は、自分に合う園を選びたい」
そう考えて踏みとどまれたあなたは、とても誠実です。
4月は、終わりではなく「材料がそろう始まり」
4月を今の園で迎えることに、
不安や後悔があるのは自然なことです。
でも、新年度は、
園の本音や価値観が一番はっきり見える時期でもあります。
-
誰が無理をしているのか
-
何が優先されているのか
-
自分は、どこで一番疲れているのか
それが分かることは、
次の一歩を踏み出すための、大切な材料になります。
あなたの保育観は、間違っていない
この記事で何度もお伝えしてきたように、
保育観に正解・不正解はありません。
合う園と、合わない園があるだけです。
今の園でしんどさを感じているとしても、
それはあなたの保育が間違っているからではなく、
環境との相性の問題かもしれません。
その視点を持てたこと自体が、
すでに大きな変化です。
決めるのは、今じゃなくていい
転職は、
「4月までに決めなければいけないもの」ではありません。
あなたが、
「ここなら大丈夫かもしれない」
そう思える園に出会った時でいい。
焦らず、
自分の感覚を信じて、
選べるようになるために、
この3月は確かに意味がありました。
4月を迎えるあなたへ。
転職しなかったこの春は、
何も失った季節ではありません。
自分を知る準備が整い始めた春です。
ここから先は、
あなたのペースで、あなたのタイミングで、
選んでいけば大丈夫です。
この記事が、
その一歩を支える静かな味方になれたなら、
それ以上うれしいことはありません。