50代未経験からの介護職転職:前編—需要の高まる理由と向いている人の特徴
2025.03.04掲載

50代未経験からの介護職転職:前編—需要の高まる理由と向いている人の特徴

少子高齢化が進む日本では、介護職の人手不足が深刻化しています。その中で、50代未経験から介護職に挑戦する人が増えています。体力や適応力の不安がある一方で、50代ならではの強みを活かして活躍する方も少なくありません。本記事では、50代未経験からの介護職転職を考える方へ向けて、介護業界の現状や求められる人材、向いている人の特徴について詳しく解説します。


1. 介護業界の人手不足と50代の活躍の可能性

1-1. 介護業界の現状と人材不足

厚生労働省の発表によると、2025年には約243万人の介護職員が必要とされる一方で、30万人以上の人手が不足すると予測されています。特に、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる2025年以降、介護ニーズはさらに高まる見込みです。

このような背景から、介護業界では**「未経験者歓迎」「年齢不問」**の求人が増えており、50代からでも介護職に挑戦しやすい環境が整っています。

1-2. 50代が介護職に求められる理由

50代未経験者が介護業界で求められる理由には、以下のような点が挙げられます。

  1. 人生経験を活かせる

    • 高齢者との会話が得意な人が多く、利用者とのコミュニケーションに役立つ。
    • 仕事や家庭での経験があるため、対人スキルが高い。
  2. 若手のサポート役として活躍できる

    • 介護施設では20代・30代の職員が多いが、経験や年齢を活かしてアドバイスできる。
    • 落ち着いた態度で業務を遂行できるため、利用者や家族からの信頼を得やすい。
  3. 働き方の選択肢が豊富

    • 正社員だけでなく、パート・派遣・夜勤専従など、自分に合った働き方を選べる。
    • 体力面に不安があっても、デイサービスや訪問介護など比較的負担の少ない仕事もある。
  4. 定年がない施設も多い

    • 介護業界は慢性的な人手不足のため、60代以上でも働き続けられる職場が多い。
    • 50代で転職しても長期間働ける可能性がある。

2. 50代未経験でも介護職に向いている人の特徴

2-1. 介護職に必要なスキルと資質

介護の仕事は体力的に大変な部分もありますが、最も重要なのは利用者と向き合う姿勢や思いやりの心です。50代未経験でも、以下のような特徴がある方は介護職に向いているといえます。

  1. 人と接するのが好きな人

    • 利用者や同僚とコミュニケーションを取る機会が多いため、人と関わるのが好きな人に向いている。
    • 相手の気持ちを汲み取りながら、適切な対応ができることが大切。
  2. 世話好きで気配りができる人

    • 介護では、利用者の小さな変化に気づき、適切な対応をすることが求められる。
    • 人の役に立つことに喜びを感じる人に向いている。
  3. 忍耐力と責任感がある人

    • 介護はすぐに結果が出る仕事ではなく、根気強く利用者と向き合う必要がある。
    • 責任感を持って仕事に取り組める人が活躍しやすい。
  4. チームワークを大切にできる人

    • 介護の仕事は一人で完結するものではなく、チームで協力しながら行う。
    • スタッフ同士の連携を大切にし、円滑なコミュニケーションが取れる人が求められる。

2-2. 体力が不安な場合の対策

50代未経験の方が介護職に挑戦する際、「体力的に続けられるか不安」という声をよく聞きます。しかし、いくつかの対策をすることで負担を軽減できます。

  1. 体力に自信がない場合は夜勤のない職場を選ぶ

    • デイサービスや訪問介護なら夜勤がなく、体力的な負担を抑えられる。
  2. 介護技術を学んで無理のない動作を身につける

    • 正しいボディメカニクス(体の使い方)を学ぶことで、腰痛や負担を軽減できる。
  3. 職場の環境を確認する

    • リフトやスライディングボードなどの介護補助器具を導入している職場を選ぶと、体への負担が少なくなる。

3. 50代未経験から介護職に就くための第一歩

3-1. 資格がなくても働けるのか?

介護職は無資格・未経験でも働ける求人が多くあります。ただし、介護職員初任者研修を取得しておくと、業務の幅が広がり、転職もスムーズになります。

  • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
    • 約1〜2ヶ月で修了可能
    • 費用は5万円〜10万円程度(自治体の補助がある場合も)
    • 取得後は訪問介護や施設介護で活躍しやすい

3-2. 求人の探し方と応募のポイント

  1. 介護専門の求人サイトを活用する

    • 一般的な求人サイトよりも、介護業界に特化したサイトの方が条件の良い求人を見つけやすい。
  2. 職場見学を積極的に行う

    • 実際の雰囲気や職員の対応を見て、自分に合った職場を見極める。
  3. 未経験歓迎の職場を選ぶ

    • OJT(現場研修)が充実している施設なら、安心して仕事を覚えられる。

まとめ:50代未経験でも介護職に挑戦できる理由

  • 介護業界は人手不足であり、50代の未経験者でも歓迎されることが多い。
  • 人生経験やコミュニケーション力を活かせる仕事。
  • 体力面が不安な場合も、働き方を工夫することで長く続けられる。

次回の後編では、実際に50代未経験から介護職に転職するための具体的な方法や働き方について詳しく解説します。


1. 50代未経験から介護職へ転職する具体的なステップ

1-1. 自分に合った職場を見極める

50代からの転職では、**「長く続けられる職場を選ぶこと」**が非常に重要です。そのためには、以下のポイントを意識して求人を探しましょう。

  1. 業務内容と勤務形態を確認する

    • 身体介護が多い施設(特養・老健)か、負担が比較的軽い施設(デイサービス・訪問介護)かをチェック。
    • 夜勤の有無、シフト制の柔軟性など、自分の体力に合う働き方を選ぶ。
  2. 職場見学を積極的に行う

    • 実際に施設の雰囲気を確認し、職員の働き方や利用者の様子を観察する。
    • 職場の人間関係が良好か、教育体制が整っているかを重視。
  3. 介護補助器具の導入状況をチェック

    • リフトやスライディングシートなどの介護負担軽減設備があるかを確認。
    • これらが整っている施設は、職員の身体的負担が少なく、長く働きやすい。

1-2. 50代未経験者におすすめの資格取得

介護職は無資格・未経験でも働ける職場が多いですが、資格を取得することで業務の幅が広がり、給与アップやキャリアの選択肢も増えます。

介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)

  • 最も基本的な介護資格で、施設や訪問介護での業務が可能。
  • 1〜2ヶ月程度で修了し、通信講座も利用できる。
  • 費用:5万円〜10万円程度(自治体の補助がある場合も)

実務者研修(キャリアアップを目指すなら)

  • より高度な介護技術を学べる資格。
  • 介護福祉士を目指す際に必須。
  • 費用:10万円〜15万円程度

介護福祉士(国家資格)

  • 3年以上の実務経験と実務者研修の修了が必要。
  • 資格手当がつき、給与アップが見込める。

未経験から始める場合は、まず「介護職員初任者研修」を取得し、働きながらステップアップするのがおすすめです。


1-3. 50代でも採用されやすい応募書類の作成ポイント

転職活動では、履歴書や職務経歴書の書き方も重要です。

志望動機の書き方のポイント

  • **「なぜ介護職を選んだのか」**を具体的に書く。
    • 例:「親の介護を経験し、人の役に立つ仕事がしたいと感じた」
  • 50代ならではの強みをアピール
    • 例:「前職で培ったコミュニケーション能力を活かし、利用者や同僚と円滑に連携できる」

職務経歴書のポイント

  • 未経験の場合でも、前職の経験が介護に活かせる点を強調。
    • 例:「接客業で培った対人スキルを活かし、利用者との良好な関係を築きたい」

2. 50代未経験者におすすめの働き方と職場選び

2-1. 体力に自信がない方におすすめの職場

デイサービス(通所介護)

  • 日勤のみで夜勤がないため、体力的な負担が少ない。
  • レクリエーションが多く、利用者とのコミュニケーションが中心。

訪問介護

  • 利用者の自宅を訪問し、生活援助(掃除・洗濯・調理など)を行う仕事。
  • 身体介護よりも負担が軽い仕事も多く、**「ヘルパー2級(介護職員初任者研修)」**があれば可能。

サポートスタッフ(介護助手)

  • 介護業務の補助を担当し、食事配膳・シーツ交換・清掃などを行う。
  • 資格不要で始められ、体力的な負担も比較的軽い。

2-2. 高収入を目指すなら夜勤専従も選択肢に

  • 夜勤専従は1回の勤務で2万円〜3万円の給与も可能
  • 月に10回程度の夜勤勤務で、日勤よりも高収入を得られる。
  • 慣れるまで体調管理が重要だが、勤務日数を抑えて高収入を目指せる点が魅力

3. 50代からの介護職転職で成功するためのポイント

無理をしすぎない職場選びをする

  • いきなりハードな職場を選ばず、自分に合った環境を選ぶことが大切。

職場の人間関係を重視する

  • スタッフ同士の雰囲気が良い職場の方が、未経験でも続けやすい。

スキルアップを意識する

  • 介護技術を学びながら資格を取得し、長く安定して働ける道を選ぶ。

長期的なキャリアを考える

  • 体力に不安を感じたら、**「介護事務」や「ケアマネジャー」**などのデスクワーク職種も視野に入れる。

まとめ:50代からでも介護職は十分に目指せる!

  • 介護業界は未経験・50代でも歓迎される職場が多い。
  • 体力的な負担を考慮しながら、無理のない働き方を選ぶことが重要。
  • 資格を取得することで、より安定した働き方が可能。
  • 職場選びとスキルアップの工夫次第で、長く安定して働ける仕事!

50代からの介護職転職は、決して遅くありません。自分に合った働き方を見つけ、新たなキャリアに挑戦してみましょう!

 

 

 

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