看護師が直面しやすい職業病5選!体と心を守る方法とは?
看護師の仕事は、患者のケアを中心に多岐にわたります。日々の業務の中で、身体的にも精神的にも大きな負担がかかるため、長年働くうちに特有の職業病を発症するリスクがあります。今回は、看護師が直面しやすい職業病を5つ紹介し、その予防策についても解説します。
1. 腰痛・椎間板ヘルニア
なぜ発症しやすいのか?
看護師の仕事では、患者の移乗や体位変換など、腰に負担のかかる動作が頻繁に発生します。特に、ベッド上での介助やストレッチャーへの移動などは、不自然な姿勢をとることが多く、慢性的な腰痛につながります。さらに、手術室やICUでは長時間同じ姿勢を維持することが求められ、腰に大きな負担をかける原因になります。
予防策
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腰を守るために、介助の際は膝を使い、腰への負担を軽減する
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コルセットや腰用サポーターを活用する
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腰痛予防のためのストレッチや体幹トレーニングを日常的に行う
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可能であれば、患者移乗の際にリフトやスライドボードなどの補助器具を活用する
2. 静脈瘤・むくみ(下肢静脈瘤)
なぜ発症しやすいのか?
病棟勤務では、一日中立ちっぱなしで動き回ることが多く、血流が滞りやすくなります。長時間の立位姿勢は、下肢の静脈に負担をかけ、静脈弁の機能が低下することで血液の逆流が発生し、静脈瘤を引き起こす可能性があります。また、むくみが慢性化すると、足の疲れや痛み、重だるさを感じることが多くなります。
予防策
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弾性ストッキングを着用し、血流をサポートする
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仕事の合間に足を動かし、血液循環を促進する(かかと上げ運動など)
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就寝時に足を少し高くして寝ることで、むくみを軽減する
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マッサージやストレッチを取り入れ、ふくらはぎの筋肉をほぐす
3. 手荒れ・アレルギー(ラテックスアレルギー)
なぜ発症しやすいのか?
看護師は頻繁に手洗いやアルコール消毒を行うため、手の皮脂が奪われ、乾燥しやすくなります。これが進行すると、ひび割れや湿疹、アトピー性皮膚炎を引き起こすこともあります。また、医療用手袋(特にラテックス製)を長時間着用することで、ゴムアレルギー(ラテックスアレルギー)を発症するケースもあります。
予防策
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手洗い後はしっかり保湿し、手荒れを防ぐ
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可能であれば低刺激性のハンドソープや保湿成分配合の消毒液を使用する
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ラテックス製手袋ではなく、ニトリル製やビニール製の手袋を選択する
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こまめに手袋を外して、手を休ませる時間を作る
4. 感覚麻痺(聴覚・嗅覚の鈍化)
なぜ発症しやすいのか?
看護師は常にナースコールや医療機器のアラーム音に囲まれており、長時間その環境にいることで「聴覚過敏」や「耳鳴り」を引き起こすことがあります。逆に、長年同じ環境にいると音に鈍感になり、アラームに気づきにくくなることもあります。 また、排泄介助や処置時の臭気に長期間さらされることで、嗅覚が鈍化し、匂いに対する感覚が弱くなることもあります。
予防策
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一定時間ごとにナースステーションや休憩室で静かな環境に移る
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耳栓やノイズキャンセリング機能を活用して耳を休ませる
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嗅覚のトレーニングとして、香りを意識的に嗅ぐ習慣をつける
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適度な休憩を取り、感覚のリセットを行う
5. 精神的ストレス・バーンアウト(燃え尽き症候群)
なぜ発症しやすいのか?
看護師は、患者の生死に直面し、緊張感の高い業務をこなす必要があります。また、医師や他の看護師との人間関係、患者や家族からのクレーム対応など、精神的に負担の大きい仕事が多く、ストレスが蓄積しやすい環境です。その結果、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥り、仕事への意欲が低下することがあります。
予防策
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仕事とプライベートのバランスを取り、適度にリフレッシュする
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職場内のメンタルヘルスサポートを活用する(カウンセリングや相談窓口)
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ストレス発散のための趣味や運動を取り入れる
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同僚や家族と悩みを共有し、一人で抱え込まないようにする
まとめ
看護師の仕事はやりがいがある反面、身体的・精神的に大きな負担がかかる職業です。腰痛や静脈瘤、手荒れなどの身体的な職業病だけでなく、ストレスによるバーンアウトにも注意が必要です。
今回紹介した予防策を意識しながら、自分の体と心を大切にして働くことが、長く看護師として活躍するための鍵となります。日々のケアを怠らず、自分自身の健康管理も忘れないようにしましょう!