「介護×ICT」時代到来!現場を変える最新デジタルツールとは?
2024.12.03掲載

「介護×ICT」時代到来!現場を変える最新デジタルツールとは?

介護業界は今、大きな変革の時代を迎えています。その中心にあるのが「ICT活用」、いわゆる介護DX(デジタルトランスフォーメーション)です。ICTを取り入れることで、業務効率化やサービスの質向上、職員の負担軽減が期待されています。しかし、「ICTって難しそう」「現場に馴染むのだろうか」といった不安を抱える介護職の方も多いのではないでしょうか?

本コラムでは、介護現場におけるICT活用のメリットや最新のデジタルツール、さらに岐阜県内の事例を交えながら、ICTがもたらす可能性について詳しく解説します。介護職としてキャリアアップを目指す方や、これから新しい職場での活躍を考えている方に役立つ情報をお届けします。


ICT活用が注目される背景とは?

高齢化が進む日本では、介護人材の不足が深刻化しています。2025年には介護人材が約32万人不足するとも言われており、現場では一人ひとりの職員が多くの業務を抱える状況が続いています。こうした課題を解決する手段の一つとして注目されているのがICTの活用です。

ICTを導入することで以下のような効果が期待されています。

  1. 業務の効率化
    記録業務の簡略化やシフト管理の自動化により、事務作業にかかる時間を大幅に削減できます。

  2. 利用者の見守り強化
    センサーやモニタリングシステムを活用し、利用者の安全を効率よく管理可能です。

  3. 職員の負担軽減
    重労働や深夜業務の軽減により、介護職員の働きやすさを向上させます。

  4. 介護の質向上
    データを活用した科学的介護(LIFE)により、利用者一人ひとりに適したケアプランを提供できます。


現場を変える最新デジタルツール5選

介護現場で実際に活用されている最新のデジタルツールを以下に紹介します。これらは、既に多くの施設で導入が進んでいる注目の技術です。

1. 介護記録ソフト

介護記録をデジタル化するソフトは、日々の業務効率化に直結します。紙での記録に比べ、入力の手間が大幅に減り、スマートフォンやタブレットで簡単に操作できるものが主流です。利用者ごとの記録を一元管理でき、職員間の情報共有もスムーズになります。

岐阜の事例
岐阜市内のある介護施設では、ICTを導入したことで夜間の記録作業が50%削減され、職員の残業時間が大幅に短縮されました。

2. 見守りセンサー

利用者の動きやバイタルサイン(心拍数、体温など)を24時間モニタリングするシステムです。転倒のリスクや夜間の徘徊を防止でき、職員が常に見守る必要がなくなるため、負担軽減につながります。

具体例

  • マット型センサー:ベッドからの離床を感知し、職員に通知。
  • カメラ型センサー:AIが異常行動を検知し、自動でアラートを送信。
3. 移乗支援ロボット

高齢者をベッドから車椅子に移乗する際に活用されるロボットです。腰痛の原因となる介助負担を大幅に軽減し、職員の身体的負担を軽くします。

岐阜の事例
関市の介護施設では、移乗支援ロボットを導入することで、腰痛による離職者が減少したという報告があります。

4. リモートケアシステム

利用者の自宅と施設をつなぎ、リモートでケアを提供する仕組みです。訪問介護の効率化や、遠方に住む家族への情報共有に役立ちます。

5. LIFE(科学的介護)対応システム

国が推進する「科学的介護情報システム(LIFE)」に対応したツールは、ケアの質を科学的に高めるために不可欠です。施設の介護記録をLIFEに連携し、データ分析を行うことで、利用者に最適なケアを提供できます。


ICT活用による現場改善の具体例

岐阜県の成功事例:ICT導入で効率化

岐阜県羽島市のある介護施設では、介護記録ソフトや見守りセンサーを導入した結果、職員一人あたりの業務負担が約30%減少しました。また、夜間の見回り回数が減り、職員の疲労感が軽減したことで離職率が低下しました。

課題解決への一歩

ICTの導入は、最初はコストや教育の負担があるものの、長期的には職場全体の負担軽減や利用者満足度の向上に寄与します。


ICT活用が介護職のキャリアに与える影響

ICT活用のスキルを持つ介護職は、これからの介護業界で非常に求められる人材です。転職活動においても、以下のポイントがアピールにつながります。

  1. ICTスキルの習得 ICTツールの操作方法や運用知識を習得することで、施設にとって貴重な人材になります。これを自己PRに活かしましょう。

  2. 新しい施設への挑戦 ICTを積極的に活用する施設は、職員の働きやすさやスキル向上を重視する傾向があります。こうした施設での勤務はキャリアアップにもつながります。

  3. 職場選びの基準 求人を探す際には、「ICT活用に力を入れているかどうか」を一つの基準にすることをおすすめします。


まとめ:介護DXで未来の現場を創る

ICTは、介護職の皆さまの働き方や利用者へのサービスの在り方を大きく変える可能性を秘めています。岐阜県内でも、ICTを活用した介護施設が増加しており、新しい技術を取り入れることで職場環境の改善が期待されています。

「ICT活用は難しい」と感じる方も、最初の一歩を踏み出すことでその便利さと可能性を実感できるはずです。これからの介護は、デジタル技術とともに進化します。新しい時代を切り開く力を身につけ、より多くの利用者に安心と笑顔を届けられる介護職を目指しましょう。