看護転職を考えている方へ 「倫理綱領」16の項目をわかりやすく解説~現場での具体的な実践方法について➁
2023.12.12掲載

看護転職を考えている方へ

「倫理綱領」16の項目をわかりやすく解説~現場での具体的な実践方法について➁

 

看護職は、社会の中で特異的でかつ神聖な存在とされています。その特異性は、看護職が人々の生命と健康を守り、社会的な尊厳と人権を尊重する責任を負っているからです。看護の役割は決して軽視されず、日常的な医療や健康維持だけでなく、緊急時や災害時においても不可欠な存在です。そして、看護職が担う使命は、人間の基本的なニーズである健康と幸福の実現に直結しています。

 

看護は、人々の尊厳を守り、健康で幸福な生活を願う普遍的な欲求に応える使命を帯びています。看護職は、あらゆる年齢層の個人、家族、コミュニティ、地域社会を対象とし、健康の維持と促進、疾病の予防、健康の回復、痛みの軽減を通じて、人々が人生を全うできるよう支援します。そのために、看護職は免許によって看護を実践する権限を与えられており、この権限を持つことは大きな責任を伴います。

 

看護の実践において、人々の基本的な権利である生存権、尊厳を保持される権利、質の高い看護を受ける権利、平等な看護を受ける権利などの人権を尊重することが求められます。同時に、看護職は自身の専門性を高め、看護の実践において誇りと自覚を持つことが重要です。日本看護協会の「看護職の倫理綱領」は、看護職が日々の実践において、これらの価値観と原則を守るための指針となり、自己評価や職務遂行において重要な基盤を提供します。

 

この倫理綱領は、看護職が実践する際の行動指針を示すものであり、個人の看護師から組織全体まで、看護の実践に携わるすべての人々に適用されます。また、看護の実践において負うべき責任の範囲を明確に示し、社会に向けて看護職の使命と責任を約束するものです。看護職の使命は、人々の健康と尊厳を守り、社会に貢献することであり、この倫理綱領を通じて、その使命を全うする手助けをするものです。

 

看護職は、人々の生命、健康、幸福に関わる特別な使命を担い、その使命を全うするために常に最善を尽くすことが求められます。そのために、倫理綱領に示された原則と価値観を実践し、患者と社会からの信頼を築くことが重要です。看護職は、神聖な仕事としての誇りを持ち、専門的知識と技術を駆使して人々の健康と幸福に貢献し続ける存在として、社会において高く評価されています。

今回は綱領にある後半の9原則について詳しく見ていきましょう。

9.「看護職は、多職種で協働し、よりよい保健・医療・福祉を実現する」

看護職の倫理綱領における第9項目は、「看護職は、多職種で協働し、よりよい保健・医療・福祉を実現する」という内容です。この項目は、看護職の役割が単なる医療行為だけではなく、多くの専門家と連携し、患者や受け手の幸福と健康を最優先に考えるという大切な原則を示しています。

 

多職種で協働することは、看護職にとって非常に重要です。医療や福祉は複雑で多岐にわたる分野であり、それぞれの専門家が持つ知識やスキルを結集することで、より高い質の保健・医療・福祉を提供できます。看護職は、この協働の中で、患者や受け手のために最善のケアを提供することを共通の価値観として行動します。

 

多職種での協働においては、相互理解が不可欠です。看護職と他の保健・医療・福祉関係者とのコミュニケーションは円滑であり、お互いの役割や貢献を尊重することが大切です。看護職は、自身のスキルや能力を最大限に発揮し、他の専門家と連携して病気や状態に対処するために全力を尽くします。

 

この協働の一環として、看護職は患者や受け手とパートナーシップを築きます。患者や受け手は自身の健康に対して積極的に参画し、治療やケアの過程において看護職と共同で意思決定を行います。これにより、より個別化されたケアプランを立案し、患者のニーズに合ったケアを提供できるようになります。

 

さらに、看護職は研究や医療安全の分野でも協力を奨励します。研究を通じて最新の医療情報やケアのベストプラクティスを導入し、患者に最高のケアを提供するために努力します。また、医療安全の確保も重要であり、医療ミスや事故を防ぐために他の専門家と協力し、システムやプロセスの改善に貢献します。

 

実際の看護の現場での実践の具体例として、以下の3つのシナリオを挙げてみましょう。

 

  1. 連携した診療チーム:看護師は患者の状態をモニタリングし、医師、薬剤師、リハビリテーション専門家などと連携し、患者に最適な治療プランを策定します。各専門家は自身の知識とスキルを提供し、共同作業を通じて総合的なケアを提供します。

 

  1. 患者との共同決定:看護師は患者とのコミュニケーションを通じて、治療オプションやケア計画についての情報を提供し、患者の価値観や希望を尊重します。患者は自身の健康に関する重要な決定を看護師と共同で行い、治療方針を決定します。

 

  1. 医療安全への取り組み:看護師は医療チームと連携して、医療エラーの予防や品質向上に取り組みます。例えば、手術室でのチーム間のコミュニケーションを強化し、手術時の誤操作を減少させるためのプロトコルを策定します。

 

これらの具体例からわかるように、看護職は倫理綱領に基づき、多職種での協働や患者との連携を通じて、より良い保健・医療・福祉の実現に向けて努力しています。この原則を実践することは、看護職の使命であり、患者や受け手の幸福を最優先に考える大切な一環です。

 

10.「看護職は、より質の高い看護を行うために、自らの職務に関する行動基準を設定し、それに基づき行動する」

第10項目の「看護職は、より質の高い看護を行うために、自らの職務に関する行動基準を設定し、それに基づき行動する」という原則は、看護職の専門性と責任に関する非常に重要なガイドラインです。この原則に基づく行動基準は、看護職の倫理と質の向上を支えるものであり、看護師が専門職として最高水準のケアを提供するための基盤となります。

 

看護師が自身の職務に関する行動基準を設定し、それに従うことは、看護職の自主規制を行う大切な要素です。これは、看護師が自分自身に厳しい要求を課し、専門職としてのスキルと倫理的な責任を高めるための必須のプロセスです。行動基準は、看護師の職務における適切な水準や責務を明確に定義し、看護職の専門的な価値観を支えるものとして役立ちます。

 

これらの行動基準は、組織内で統一的に設定され、看護師個人や組織全体がそれに準拠するよう努力します。これにより、看護ケアの品質が向上し、患者や受け手へのサービスが一貫性を持って提供されます。行動基準はまた、評価の際にも重要な指標として活用され、看護師の職務遂行が評価されます。

 

社会や医療環境の変化、そして患者のニーズの変化に対応するために、行動基準は定期的に見直され、必要に応じて改訂されます。これにより、看護師は最新の情報やベストプラクティスを取り入れ、質の高い看護ケアを提供し続けることができます。

 

看護職は、看護職能団体が示す基準や指針に従うことも求められます。これにより、看護師は国際的な基準に合致し、国内外で高水準の看護ケアを提供する役割を果たします。また、各施設はその特徴やニーズに合わせて、具体的で実践的な基準を設定することで、患者に対する最高水準の看護ケアを確保します。

 

以下は、この原則を実践した具体例です。

 

  1. 行動基準の設定と遵守:看護師個人または看護部門は、看護職の行動基準を明確に定義し、それに基づいて行動します。これには、患者への尊重やプライバシーの保護、医療ミスの予防などが含まれます。看護師はこれらの基準を徹底的に守り、高品質な看護ケアを提供します。

 

  1. 組織的な評価と改訂:看護部門や病院は、行動基準を評価するための仕組みを整備し、看護師の職務遂行を監視します。必要に応じて行動基準を改訂し、新たな課題や規制に適応します。

 

  1. 看護職能団体への参加:看護師は、看護職能団体に加入し、その基準と指針に従います。これにより、看護師は国内外で認められた専門家として活動し、高品質の看護ケアを提供します。

11.「看護職は、研究や実践を通して、専門的知識・技術の創造と開発に努め、看護学の発展に寄与する」

第11項目では、「看護職は、研究や実践を通して、専門的知識・技術の創造と開発に努め、看護学の発展に寄与する」と述べられています。この原則は、看護職の役割が単なるケア提供だけではなく、看護学の発展と患者の健康と福祉に貢献することを強調しています。

 

看護職は、常に科学的な知識やガイドラインを活用して看護実践を行います。同時に、新たな専門的な知識や技術の開発に努力します。この新たな知識や技術は、将来の看護ケアの向上に寄与し、患者や受け手に対してより効果的で安全なケアを提供するための基盤となります。

 

看護職は、研究や実践に基づいて看護の中核となる専門的な知識や技術を創造し、開発する責任を担います。これにより、看護学自体が進化し、新たなケアのアプローチやベストプラクティスが確立されます。また、看護政策の立案にも積極的に参加し、看護職の役割が社会全体に貢献することを推進します。

 

さらに、看護職は保健・医療・福祉の研究に参加し、人々の意向を尊重します。患者や受け手の生命、健康、プライバシー、尊厳、権利を尊重し、適切な保健・医療・福祉の提供を保障します。これは、看護職の倫理的な責任の一部であり、患者中心のケアを支持します。

 

以下は、この原則を実践した具体例です。

 

  1. エビデンスベースの実践:看護師は最新の医学的研究や臨床ガイドラインを活用して、看護実践を行います。例えば、特定の疾患の治療において、最も効果的なアプローチや薬物療法を導入し、患者の治療成績を向上させます。

 

  1. 研究プロジェクトの参加:看護師は大学や病院内の研究プロジェクトに積極的に参加し、新たな看護関連の知識を発展させます。例えば、特定の疾患の治療法の改善に向けた臨床試験に協力し、治療法の革新に寄与します。

 

  1. 改善プロジェクトの推進:看護師は自身の部門や病院内で、プロセス改善プロジェクトを主導します。例えば、手術室の手順の見直しや感染症予防のための新しいケアガイドラインの導入を行い、安全性と品質の向上に寄与します。

 

これらの具体例から、看護職が研究と実践を組み合わせて専門的知識と技術を発展させ、看護学の発展と患者の健康への貢献を実現していることがわかります。

 

12.「看護職は、より質の高い看護を行うため、看護職自身のウェルビーイング3 の向上に努める」

第12項目では、「看護職は、より質の高い看護を行うため、看護職自身のウェルビーイングの向上に努める」と述べられています。ウェルビーイングは、身体的、精神的、社会的な健康と幸福の状態を指します。看護職が自身のウェルビーイングを向上させることは、より優れた看護ケアの提供に繋がり、患者や受け手の健康と幸福に寄与します。以下で、この原則を実践するためのアプローチと具体例を説明します。

 

看護職が自身のウェルビーイングを向上させるために取るべきアプローチ:

 

  1. ワーク・ライフ・バランスの確保:看護職は、仕事とプライベートの調和を図り、適切なワーク・ライフ・バランスを実現することが重要です。長時間労働や過度のストレスはウェルビーイングに悪影響を与える可能性があるため、休息や趣味活動などの自己ケアの時間を確保することが必要です。

 

  1. メンタルヘルスケア:看護職は、精神的な健康にも配慮する必要があります。ストレス、うつ病、不安などのメンタルヘルスの問題が見られることがあるため、適切なサポートを受けたり、ストレス管理のスキルを磨いたりすることが大切です。

 

  1. 安全な労働環境の確保:看護職が働く環境は、安全で健康的であるべきです。感染症の予防対策、職場内ハラスメントや暴力の防止、適切な設備と装備の提供など、安全性に関する措置が必要です。

 

  1. 専門的成長と継続教育:看護職は、専門知識とスキルの向上に努めることで、ウェルビーイングを高めることができます。継続的な教育やトレーニングを受け、最新の医療情報や看護実践に追従しましょう。

 

具体例:

 

  1. バーナウト予防プログラム:ある病院では、看護職のバーナウト(仕事の疲れやストレスからくる燃え尽き症候群)を予防するためのプログラムを導入しました。このプログラムでは、ストレス管理のワークショップやカウンセリングセッションを提供し、看護職のメンタルヘルスを支援しています。

 

  1. 安全な労働環境の改善:ある病院では、看護職の安全を守るためにセキュリティ対策を強化し、職場内の暴力やハラスメントを減少させました。また、感染症予防のための適切な訓練と装備を提供し、看護職の安全性を確保しています。

 

  1. 継続的な専門教育:看護学校や病院内で継続的な専門教育プログラムが提供されています。看護職は新たな治療法や技術を学び、患者への最高品質のケアを提供するために専門知識を更新しています。

 

これらの具体例から、看護職が自身のウェルビーイングを向上させるためのアプローチと、その効果が看護実践にどのように影響を与えているかが示されています。看護職が健康で幸福な状態を維持し、専門的なケアを提供するためには、自己ケアと安全な労働環境の確保が不可欠です。

 

13.「看護職は、常に品位を保持し、看護職に対する社会の人々の信頼を高めるよう努める」

第13項目では、「看護職は、常に品位を保持し、看護職に対する社会の人々の信頼を高めるよう努める」と述べられています。この原則は、看護職の尊厳と職業倫理に関連しており、看護師が信頼される専門家としての役割を果たすために非常に重要です。

 

看護職は、看護の本質上、看護を必要とする患者や受け手からの信頼を築き上げることが不可欠です。看護師は自身の役割を深く理解し、社会的な使命と責任を自覚し、専門職としての誇りを持つ必要があります。信頼は、専門的な知識や技術だけでなく、看護職が誠実で礼儀正しく、品性があること、清潔で謙虚であることなど、様々な行動によって構築されます。

 

また、社会からの信頼を得るために、看護師は看護領域だけでなく、幅広い教養と社会的な常識を磨くことも大切です。看護職は患者とのコミュニケーションや協力において、社会的な洞察力や配慮も必要です。

 

さらに、看護職は自身の立場を悪用し、看護職の信頼を損なうような行動や不正行為を行ってはなりません。看護師は倫理的な規範と法律を遵守し、患者の権利を守り、医療の品質と安全性を確保するために努力します。

 

以下は、この原則を実践するための具体例です。

 

  1. 尊重とコミュニケーション:看護師は患者や受け手を尊重し、その意見や希望を尊重します。誠実なコミュニケーションを通じて、患者との信頼関係を築きます。

 

  1. 職業倫理の遵守:看護師は看護倫理と職業倫理を厳守し、患者のプライバシーと権利を守ります。患者情報の機密性を守り、適切なケアを提供します。

 

  1. 継続的な教育と専門性の向上:看護師は自己啓発を継続し、最新の医療情報や看護実践に追従します。専門知識の向上を通じて、信頼性を高めます。

 

これらの具体例から、看護職が品位を保ち、信頼を高めるためにどのような行動を取るべきかが示されています。看護師の行動と倫理的な責任は、患者のケアにおいて信頼される専門家としての役割を確立するのに不可欠です。

 

14.「看護職は、人々の生命と健康を守るため、さまざまな問題について、社会正義の観点から社会と責任を共有する」

第14項目では、「看護職は、人々の生命と健康を守るため、さまざまな問題について、社会正義の観点から社会と責任を共有する」と述べられています。これは看護職の役割が単なる医療提供だけでなく、社会的な問題にも取り組むことを示しています。以下では、この原則を実践するためのアプローチと、看護職が現場でどのように社会正義に貢献するかについて詳しく説明します。

 

看護職が社会正義に貢献するアプローチ:

 

  1. 問題の認識と啓発:看護職は、差別、貧困、格差、気候変動、虐待、人身売買、紛争、暴力など、生命と健康に関わるさまざまな社会的問題についての知識を深め、意識を高める必要があります。これにより、問題の本質を理解し、社会に対して啓発活動を行います。

 

  1. 予防と連携:看護職は、問題の潜在的な要因や状況に予防的に関与し、生命と健康を守るための対策を講じます。また、多職種の専門家や関係機関と連携し、問題に対処するための共同作業を行います。

 

  1. 環境保護:看護職は、環境破壊を防ぐ役割を果たし、生命と健康に影響を与える要因に積極的に取り組みます。清浄な空気、水、安全な食物の確保、騒音対策など、健康維持に必要な環境保護活動に参加します。

 

  1. 平和と包摂的社会の実現:看護職は、人々の生命と健康を守りながら、平和で包摂的な社会の実現を目指します。紛争の予防や和解、社会的な格差の縮小、包摂的な医療・福祉サービスの提供など、社会正義の促進に向けた取り組みに参加します。

 

具体例:

 

  1. 虐待予防プログラム:看護師は、虐待の兆候を早期に検出し、患者や高齢者、子供などの保護に取り組みます。虐待の予防プログラムを実施し、社会に虐待の深刻さを伝える役割を果たします。

 

  1. 環境保護活動:看護職は、病院や医療施設で廃棄物の適切な処理を促進し、資源の有効活用と環境保護に貢献します。また、患者教育を通じて、環境への負荷を軽減する方法を指導します。

 

  1. コミュニティ支援と啓発:看護師は、コミュニティ内で健康教育イベントを開催し、地域住民に健康促進の重要性を伝えます。また、食品銀行や支援団体などの社会的な活動に参加し、貧困層や困難な状況にある人々への支援を提供します。

 

これらの具体例から、看護職が社会正義の観点からさまざまな問題に取り組み、人々の生命と健康を守る方法が示されています。看護職は単なる医療提供者以上の存在であり、社会の健康と幸福に貢献する重要な役割を果たしています。

 

15.「看護職は、専門職組織に所属し、看護の質を高めるための活動に参画し、よりよい社会づくりに貢献する」

第15項目では、「看護職は、専門職組織に所属し、看護の質を高めるための活動に参画し、よりよい社会づくりに貢献する」と述べられています。この原則は、看護職が専門職としての役割を果たし、看護の質を向上させるために積極的に行動し、社会全体の健康と幸福に貢献することを強調しています。以下では、この原則を実践するためのアプローチと、看護職が現場でどのように社会に貢献するかについて詳しく説明します。

 

看護職が社会への貢献を実現するアプローチ:

 

  1. 政策改善と制度への参加:看護職は、保健・医療・福祉分野における政策や制度の改善に積極的に参加します。これには、新たな法律や規制の提案への貢献や、既存の制度の改善提案などが含まれます。看護職は、現場の経験をもとに、より効果的な保健・医療・福祉サービスの提供を目指します。

 

  1. 社会資源の創出:看護職は、地域やコミュニティにおいて新たな社会資源の創出に貢献します。これは、健康教育プログラムの提供、支援団体の設立、コミュニティイベントの開催などに具体化されます。看護職は地域の健康と福祉に対するニーズに応え、社会づくりに貢献します。

 

  1. 専門職組織への所属と活動参加:看護職は看護職能団体に所属し、看護の専門性を高めるための活動に積極的に参加します。これには、研修、セミナー、カンファレンスへの参加や、専門誌への寄稿、倫理的なガイドラインの策定などが含まれます。看護職は同僚と連携し、専門知識を共有し、看護の質の向上に寄与します。

 

具体例:

 

  1. 地域の健康キャンペーン:看護師は地域で健康キャンペーンを主催し、地域住民に健康プロモーションの重要性を伝えます。健康診断キャンプ、予防接種プログラム、生活習慣病の予防教育などが含まれます。

 

  1. 専門職組織の活動:看護職は看護協会や看護学会に所属し、看護の最新情報を学び、研究発表を行います。また、倫理的なガイドラインやベストプラクティスの策定に参加し、看護の質を向上させます。

 

  1. 政策提案と立案:看護職は政府や地方自治体に対して、医療制度や保健政策に関する提案を行います。また、政策の立案に参加し、患者の権利と健康促進に関する規制の改善を促進します。

 

これらの具体例から、看護職が専門性を高め、社会に貢献するためにどのような活動を行うかが示されています。看護職は単なる医療提供者だけでなく、社会全体の健康と福祉に寄与する重要な役割を果たしています。

 

16.「看護職は、様々な災害支援の担い手と協働し、災害によって影響を受けたすべての人々の生命、健康、生活をまもることに最善を尽くす」

災害は、私たちの生命、健康、生活に甚大な影響を及ぼす可能性がある緊急事態です。看護職は、災害時における人々の支えとして、最善の看護とケアを提供する役割を果たします。この原則では、看護職の災害支援における責任と役割が詳細に述べられています。

 

看護職の災害支援における責任とアプローチ:

 

  1. 災害リスクの低減と政策策定:看護職は、災害リスクを低減するために政策策定に参加し、災害への備えを強化します。これには、地域の防災計画の策定、災害に対する訓練と教育の提供、リーダーシップの発揮などが含まれます。

 

  1. 災害時の適切なケア提供:災害が発生した際、看護職は急性ケアから慢性ケア、精神的な支援まで、多岐にわたる看護とケアを提供します。負傷者や疾病患者、精神的なトラウマを抱えた人々への適切なケアが必要です。

 

  1. 自己保護とリーダーシップ:看護職は、災害時においても自己保護を確保しつつ、リーダーシップを発揮します。混乱した状況下での看護活動は高度な判断力と協力が必要であり、看護師は指導的な役割を果たし、多職種の協力を組織します。

 

  1. 多職種との連携:看護職は、医師、救急隊、社会福祉従事者、ボランティアなど、多種多様な災害支援の担い手と連携し、各専門職の能力を最大限に活用します。協力と協働が災害支援の成功に不可欠です。

 

実際の看護の現場での具体例:

 

  1. 自然災害時の応急医療:看護師は地域の災害時医療センターで、負傷者の応急治療を行います。急性外傷、感染症の予防、必要な医薬品の提供などが含まれます。

 

  1. 災害支援キャンプでの看護:看護師は災害支援キャンプで、避難民や被災者への看護と精神的支援を提供します。特に、傷病者や高齢者、子供たちへの特別なケアが必要です。

 

  1. 災害時の情報発信:看護師は災害情報の伝達や健康に関するアドバイスを提供し、地域住民が安全で適切な行動を取れるように支援します。

 

これらの例からわかるように、看護職は災害時においても専門的な知識とケアを提供し、生命、健康、生活を守るために積極的に活動します。そして、多職種との協力と協働により、被災地域の支援と復旧・復興に貢献します。

 

まとめ

看護職は、医療の専門職であり、その役割は非常に特異的かつ神聖なものです。これまでに探究してきた「倫理綱領」の9から16までの原則は、看護職における基本的な価値観や行動指針を示しています。これらの原則は、看護職の専門性と倫理的責任を強調し、看護の質と安全性を高めるために重要なものです。

 

項目9. 多職種で協働し、保健・医療・福祉を実現する:

看護職は、多職種のプロフェッショナルと連携し、患者のために最善のケアを提供します。協力と相互理解を深め、質の高い保健・医療・福祉を実現します。例えば、看護師は医師、薬剤師、社会助言士、栄養士などと連携して、総合的なケアを提供します。

 

項目10. 自己の職務に関する行動基準を設定し、それに基づき行動する:

看護職は、自己規制を通じて専門性を維持し、倫理的な行動基準を設定します。これにより、看護職は専門的な価値観を支持し、高い品質の看護を提供します。看護職の行動基準は、組織や個人の評価基準としても活用され、常に改善されます。

 

項目11. 専門的知識・技術の創造と開発に努め、看護学の発展に寄与する:

看護職は、科学的知識と指針を活用し、新たな専門的知識・技術の開発に貢献します。これにより、看護学が発展し、患者の健康と福祉に寄与します。看護職はまた、保健・医療・福祉の研究に参加し、実践を改善します。

 

項目12. 自身のウェルビーイングの向上に努める:

ウェルビーイングは、看護職の身体的、精神的、社会的な健康状態を指します。看護職は、自身のウェルビーイングを維持し、仕事と生活の調和を取り、メンタルヘルスケアに努めます。安全な職場環境を確保し、災害時の自己保護にも取り組みます。

 

項目13. 品位を保持し、社会の信頼を高める:

看護職は、誠実さ、礼節、品性、清潔さ、謙虚さなどに支えられた行動で品位を保ち、社会からの信頼を築きます。看護職の信頼は、専門的知識と人間性によって裏付けられ、患者や社会からの信頼が不可欠です。

 

項目14. 社会正義の考え方をもって社会と責任を共有する:

看護職は、人々の生命、健康、生活を守るために、社会正義の観点からさまざまな問題に取り組みます。差別、貧困、格差、気候変動、虐待、人身売買、紛争、暴力などに対処し、社会の健康と福祉に貢献します。また、環境保護にも積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。

 

項目15. 専門職組織に所属し、看護の質を高めるための活動に参画し、よりよい社会づくりに貢献する:

看護職は、専門職組織に所属し、看護の質を向上させるための活動に参加します。政策の改善、社会資源の創出、新たな取り組みの推進などに貢献し、よりよい社会の実現に向けて努力します。

 

項目16. 様々な災害支援の担い手と協働し、災害によって影響を受けたすべての人々の生命、健康、生活をまもることに最善を尽くす:

災害時、看護職は人々の生命、健康、生活を守るために積極的に活動します。急性医療から精神的支援、環境保護まで、多岐にわたるケアを提供します。さらに、自己保護と連携協力を通じて、被災地域の支援と復旧・復興に尽力します。

 

看護職は、社会の信頼を得つつ、人々の健康と幸福を守り、より良い社会づくりに貢献する専門職です。彼らの使命は特異的で神聖であり、これらの原則に基づいて、患者と社会に対する責任を全うしています。看護職に従事しておられる皆さん、または今後転職を考えておられる皆さん、ぜひとも初心を忘れずこの神聖な職務を全うされますように。