転職活動がスムーズに進み無事に面接まで進めることができれば、あともうひと息。
ここまで来れば、チャンスをしっかり掴み取りたいものです。
転職の場合、就職活動の経験もあるので面接のノウハウはそれなりに分かっているはず。
それでも、久しぶりの面接だからこそかえって緊張してしまい上手く自分をアピールすることができなかったり、ある程度経験を積んでいるからこそ空回りしてしまったりということも珍しくありません。
そこで今回からは、介護・保育・看護の職種別に、今いちど押さえておきたい面接術を複数回にわたりご紹介していきます。
今回はまずその「導入編」として、全職種共通・覚えておきたい心づもりをご紹介します。
転職理由はできるだけ前向きに
転職の面接では、どのような職種でも転職の理由を尋ねられることが多いです。
全く別の業界から介護福祉業界へ転職するという大転換を図るわけでなく、同じ業界内での転職の場合(例えば介護事業所で働いていて、別の事業所への転職を希望する場合など)は特に、なぜ「あえて」職場を変えようと思ったのか具体的に尋ねられることも多いでしょう。
ここで覚えておきたいのが、転職の理由をできるだけ「前向きに」伝えるということです。
実際、キャリアアップを見込んで資格取得制度が整っている職場への転職を希望するなど、前向きな理由による例も決して少なくはありません。
ところが、現実には「給与が不満」「職場の人間関係が悪くとにかく環境を変えたい」「残業が多く体力的にもキツイ」「利用者との間にトラブルがあった」など、どちらかというとネガティブな理由が転職を考えるきっかけになる場合の方が多いといえます。
しかし、だからといってネガティブな理由をそのまま伝えることは決してオススメできません。
事業所の閉鎖による退職などではなく、自己都合による退職の場合、採用する側も「退職理由によっては、転職後にもし同じような状況になった時にまた短期間で辞めてしまうのではないか」と慎重に見極めているからです。
転職希望先のどのような特色に魅力を感じたか、携わりたいと思った業務は何か、現在の自分のスキルを活かしてどんな貢献ができそうだと思ったかなど、現在の職場には「無い」が転職希望先には「ある」具体的な魅力を転職の理由として説明できるとよいでしょう。
「人」を相手にする仕事であるという前提
介護福祉の仕事はモノやサービスを作りだす業種とは異なり、常に「人」に向き合うことが求められます。
利用者や患者さんだけでなくそのご家族とのやり取り、さらには職員や関連施設同士などとのスムーズな連携など、広い意味でのコミュニケーションスキルが求められますし、採用側も「面接」という限られた時間の中でこのスキルを見極めることに重きを置いているといっても良いでしょう。
そのため、背筋をしっかり伸ばし適度なアイコンタクトを忘れない、丁寧な言葉遣いや聞き取りやすい声のトーンでゆったりと話すなど、コミュニケーションをスムーズに行うためのごくごく基本的なマナーが自分には適切に備わっているかを、今一度客観的に確認するようにしましょう。
職歴が長くなればなるほど自信もついてきて、余裕を持って面接に臨めるようになる一方で、このように相手に好印象を与える基本的なマナーがおろそかになってしまったり、それを指摘してくれる人が身近にいなくなってしまったりすることも否めません。
時間に余裕を持って面接会場に到着する、清潔感のある服装を心掛けるといったことはもちろんのこと、ある意味初心にかえって、「この人なら円滑なコミュニケーションを行うことができそうだ」という安心感を与えることを忘れずにいたいものです。
以上、導入編として全職種に共通するポイントをご紹介しました。
次回からはさらに、職種別により詳しくご紹介していきます。