【転職お役立ち情報】派遣期間の制限と例外について
2022.07.22掲載
就職・転職情報お役立ち情報

派遣スタッフとして働く場合、基本的に「派遣期間の制限」があり、ずっと同じ職場で働き続けることはできません。
2015年に改正された労働者派遣法で、職務内容に関わらず「最長3年」と定められました。
これは、同じ事業所の組織単位の中で「派遣スタッフとして」働き続けられるのは3年が限度という意味です。
抵触日とは、その「派遣期間の制限」を過ぎた最初の日のことを言います。
例えば、2019年4月1日に就業した人の「抵触日」は、3年後の2022年4月1日になります。

派遣スタッフに抵触日が設けられている理由

正社員は雇用が安定的で、キャリア形成が図れるものであるため、法律で派遣労働を「臨時的・一時的な働き方」として位置づけることを原則にしています。
なぜなら正社員としての安定した雇用が「安価でいつでも雇用の調整ができるもの」として安易に派遣に置き換わることがないように、派遣労働をあくまで臨時的・一時的なものに限っているのです。

一部、例外として「派遣期間の制限」がない派遣契約も定められています。

・派遣元である派遣会社と、無期雇用契約を締結している派遣スタッフ
・60歳以上の派遣スタッフ
・派遣先の一般の労働者に定められた所定労働日数の半数以下で、月に10日以下の業務の雇用契約をしている派遣スタッフ
・派遣先の社員が産前産後休暇・育児休暇・介護休暇を取得している場合の代替業務を担当する派遣スタッフ
・あらかじめ期間が決められている「有期プロジェクト」業務を担当する派遣スタッフ

派遣元と無期雇用契約を結んでいるため雇用が安定している場合や、安定した雇用の代替とならないことが前提のお仕事の場合は、期間に制限がありません。
これらの派遣期間制限の対象外となる労働者には、もちろん「抵触日」もありません。

抵触日の種類

派遣期間の概念は2種類あります。
個人に適用される抵触日と、事業所に適用される抵触日です。

・個人に適用される抵触日

まずは、わかりやすい「個人単位の抵触日」についてです。
ひとりの派遣スタッフが、同じ事業所のひとつの組織単位で働くことのできる派遣期間の抵触日のことです。
このときの「組織単位」とは、「会社」のことではありません。
厚生労働省が想定している「組織単位」とはいわゆる「課、グループ」などにあたります。

例えば「株式会社A商事 大阪支店 人事課」に派遣されていた方が、3年後に「株式会社A商事 大阪支店 経理課」に派遣されることは可能です。

・事業所に適用される抵触日

事業所に適用される抵触日は、「ひとつの事業所で派遣スタッフを雇用し続けられる派遣期間」の抵触日を意味します。

抵触日を迎えたら、派遣スタッフはどうなるのか?

派遣先の事業所が、「この派遣スタッフさんに、3年を超えてもずっと働いてもらいたい!」と考えた場合は、派遣スタッフの希望を聞いて、派遣先の事業所が直接雇用を申し込み、お互いに合意して新たな契約を結ぶことで同じ事業所で働き続けることが可能です。

直接雇用の申し込みがない場合、条件が折り合わず合意に至らなかった場合は次のお仕事を探すことになります。

まとめ

・職種や部署が変わっても同じ会社で派遣スタッフとして働きたいのか?

・今までのキャリアを活かして新たなお仕事探しをするか?

派遣スタッフ一人ひとりの希望を伺うため、抵触日よりも前に、派遣会社の担当者がその先についてのお声がけをしていきます。

もちろん、「来年の抵触日以降、どんな選択肢があるか知りたいのですが…」と言ったような、前もってのご相談も可能です。

派遣法も抵触日も、「派遣労働は臨時的・一時的な働き方を原則としており、派遣先の常用労働者との代替が生じないようにすること」が目的で定められたものです。
「最大3年」という期間をひとつの区切りとして、自分のキャリアステップをどのように描くか考えるきっかけにもなります。