利用者とよい関係を保つには、利用者の価値観を尊重し、こちらから歩み寄ることが基本です。
ここでは、利用者との接し方を初心に戻っておさらいしておきましょう。
人生を知る
利用者はこれまで生きてきた長い歴史や人生経験があります。
日々接するなかで、その人の歩んできた人生を知ることによって利用者の強さや弱さ、得意な面や不得手なことを理解し、それを介護サービスに生かす努力をすることで、さらに強い信頼関係を築くことができます。
聞き上手になる
仕事をしながらではなく、例えば家事の合間などにできる限り時間をもうけるようにして、ゆっくりと利用者の話に耳を傾けます。
ベッドの側に腰をおろしたり、膝をついて話しかけるなと、利用者に寄り添うという姿勢で接するようにします。
利用者にわかる言葉で話す
利用者が理解できるような内容の話、わかりやすい言葉を選んで話します。利用者が聞き取りやすいように、少し大きめの声で明るくはっきり話すように心がけましょう。
また、へルパーだけが一方的に話すということがないようにします。
利用者のペースに合わせる
ゆっくりした話し方をする利用者に、話の先を急ぐようなことは避けます。
利用者の話す言葉が聞き取りにくく、話す内容がわからないときは、適当に話をあわせたり、あいまいに対応しないようにします。
ヘルパーがわかったような返事や態度をとったことで、後になってから、「伝えたのに、何もしてくれない」と利用者からのクレームになることもあります。
利用者が何を望んでいるのか、何をして欲しいのか、言葉だけで顔の表情やしぐさからも読み取るようにしましょう。
利用者の自尊心を大切にする
「ハィ、お外に遊びに行きましょうね〜」など、幼児を扱うような言動は避けます。
また、「おじいちゃん」「おばあちゃん」などと、便宜的に呼んでい
ませんか。本人や家族から要望がない限り、名字で「〇〇さん」と呼びましょう。
親しくしているつもりで、「ご飯を食べないとだめよ」「うん、そうだよね」「じゃ、また来るね」というような気安い言葉づかいや態度で接し、利用者を不快な気持ちにさせる言動は避けるようにします。
言葉以外でアプローチする
「ああして、こうして」と、利用者側からは言い出しにくいものです。
遠慮したり気兼ねしていることもあることを考慮しましょう。
例えば、清拭のときに「どこか痒いところはありませんか」と尋ねると「背中を掻いてほしい」と返答しやすいものですが、利用者の要望をただ単に尋ねるのではなく、表情や態度からも読み取るような心がけが必要です。
まとめ
〇共感とは、利用者と共に感じ、考えることです。
〇尊敬の意思をあらわすには、利用者の話をよく聴くことです。
〇思いやりには、優しさ、温かさが必要です。
〇安心してもらうには、向かいあった姿勢で視線を合わせるようにします。