【介護情報】「介護」とは?~初心を忘れずに働く~
2022.06.27掲載
介護の仕事解説お役立ち情報

介護業界で長く働いていると、多忙に振り回され、ついタスクをこなすだけの毎日になりがちです。
そうなると、何のために働いているか分からなくなり、入社当初には持っていたはずの志や目標を見失ってしまったり、道につまづいたときに働く意欲を見出せなくなってしまいます。
ここで初心に戻り、「介護」とは何かということをおさらいしておきましょう。

利用者の気持ちを理解する

介護サービスを利用される人の生活状況はさまざまです。
病気などで自分の思うような行動ができなくなった人、社会的に孤立し、自分の行く先に不安をかかえている人もいます。
こうした生活上の悩みや不安を軽減し、自立のための援助を行うに利用者の気持ちを知ることが大切です。

疎外感


体の自由もきかず、介護で負担をかけているとの思いから「私はいてもいなくてもいい存在」と否定的に受け止めがちです。

①仕事や役割がない

本当は家族の一員として認められたいと思っているものです。
役割のなくなった無力感をもっているときは、雨戸の開け閉めや洗濯物をたたんでもらうなど、手伝ってもらうとよいでしょう。

②若い世代との価値観の違い

「若い人たちの言うことがわからない」と、最初から聞く耳をもたず、かたくなに拒否する利用者もいます。
そのような場合、「このドラマ、おもしろいですよね」「玄関に飾ってあるお花、きれいですね」などと、利用者とスタッフが共感できることや利用者が興味を示す話題を取り上げましょう。

喪失感.無気力

身体の衰えなど老化で喪失感を感じる人がいます。また、親しく会話できる知人が減ることで、孤独感を感じやすくもなります。そして、「生きる力がわかない」などと、病気に対する抵抗力も低下し、無気力の状態になりがちです。
病気や障害によって、身体的な苦痛や思いどおりに行動できないなどの訴えもありますが、利用者が言葉では表現しにくい心の訴えも感じ取るように心がけましょう。

不安感

高齢者は、老いてゆく不安や寂しさ、心細さを感じやすくなるものです。
例えば、長年、会社に勤務し退職した男性の場合は、社会や親しい人たちとの交流もなくなり、「これからとうすればよいのかわからない」と、家にひきこもりがちです。
一方で、元気に働いていた時代のことが生きる支えになっていることもあります。
その気持ちを外に向けられるような援助も考えます。その際は、その人の尊厳やプライドを尊重するようにします。
また、自ら働いて収入を得ることができず、経済的に不安を感じる人もいます。年金収入でつつましく老後を過ごしている人のなかには、不意の出来事に備え、食費を切り詰めて貯蓄しているケースも少なくありません。
こうした経済的な不安から、倹約家が多いのも高齢の利用者に特有のものと受け止め、批判はせず、受け入れるようにします。

まとめ

・相手の話を聴き、行動を見守ります。
・その気持ちにそって援助する心づかいが必要になります。
・行動を理解するように努力します。
・相手の立場で共感するようにします。
・心の状態に配慮し、活動をサポートします。