職場の人間関係が上手くいっていない。
給与や待遇面に不満がある。
持ち帰りの作業が多くて大変。
子どもの成長に寄り添うことができ、やりがいも感じられる保育の仕事ですが、このようなちょっとした不満が少しずつ蓄積していくことで仕事へのモチベーションが一気に下がってしまうことがあります。
そんな時、「今すぐにでも転職して何もかもリセットしたい!」「転職さえすればこの悩みは解決する!」なんて思ってしまうこともありますよね。
場合によっては、耐えきれずに転職先が決まる前に退職してしまう人もいるようです。
しかし、焦りは禁物です。
「売り手市場」といわれる保育士業界だからこそ、時間をかけて進めることが転職成功のカギとなります。
■不満を解消するだけの転職は上手くいかないことも
保育士業界は人手が不足していることもあり、インターネットで検索してみるだけでも多くの求人情報が出てきます。
「とにかく環境を変えたい」という気持ちが強い場合、今よりも良さそうな勤務条件や給与額、または施設のイメージなどを目にして魅力を感じることがあるかもしれません。
ところが、十分に比較検討しないまま「見た感じ」の情報だけに頼って転職先を決めてしまった場合、実際に働き始めてみると「確かに人間関係は良くなったけど、思ったより給与は増えていない」「思いのほか体力的にキツイ」「なんとなく休みを取りにくい雰囲気がある」などということにもなりかねません。
結局、また後悔して「やっぱりこの園は自分には合っていなかったのかも」とすぐにまた転職を繰り返すことになっては、自身の保育士のキャリアにとっても良くありません。
そのため、転職という言葉が頭をよぎり始めたら、まずは今の職場で自分が不満に感じていること、それを解消するために次の職場では何を優先して何を妥協するか、ということをしっかりと整理しておくことが必要となります。
求人情報を見ていると確かに中途採用は通年で募集があるので、極端な話、「しようと思えばいつでも転職できる」ともいえます。
しかし、このように考えると、十分に時間をかけて転職活動を進めていった方が長い目でみて満足のいく結果を得ることができるのです。
■具体的なスケジュールは?
保育士の転職は4月の新年度に合わせて進めていくのが一般的には良いといわれています。
このタイミングに合わせて求人が増えていくことと、現在の職場で担任を持っている場合でも、年度末まで区切りよく受け持つことができるからです。
とはいえ、保育の仕事は様々な業務を同時並行で行うという多忙さゆえ、日々の仕事に追われていると転職活動を進める時間をとるのが難しいのが現実です。
そこで、年度末の退職に向けてじっくりと進めていくには夏前ぐらいから情報収集に動き始めることをおすすめします。
夏前頃から保育士の就職フェアなどが活発化してきて、次第に求人の数も増加していく傾向があります。フェアに足を運んだり、転職エージェントに登録したり、園への見学を申し込んだりするなど、積極的に時間をかけて情報収集を行っていきましょう。
そして、十分に情報を集め比較検討を行い候補の園を絞ることができたら、採用が活発化する秋から冬にかけて希望の園へ応募・面接へと動いていく流れがよいでしょう。
■一年かけて転職を実現させるぐらいの気持ちで
時間に余裕があれば、自然と心にも余裕が生まれます。
そうすれば、冷静な視点で自分が新しい職場に求めることを選択できるようになります。
同時に、現在の職場でも余裕を持って退職の意思を伝えたり引継ぎを行ったりすることもできるので、心理的な負担も少なくすみます。
明確な決まりがないゆえ、しようと思えば「いつでもできる」のが保育士の転職。
だからこそ、年単位でじっくりと取り組んでみることが成功のカギとなるのではないで
しょうか。