看護師が 「長く働ける転職先」 を選ぶ際のポイント ―後編―
2022.05.29掲載
お役立ち情報看護情報

前回に引き続き、今回も看護師が「長く働ける」転職先を選ぶ際に注目しておきたいポイントをご紹介していきます。
後編のテーマは、キャリアアップ制度についてです。

新卒で初めて看護師の仕事に就くのとは異なり、ある程度の経験を積んだ上での転職である場合、新しい職場での業務にもほどなく慣れてくる時期が来るはずです。

そうなってくると、「もっとこんな業務がしてみたい」「このままで良いのかな?」「この職場でずっと働き続けるのは果たして正解なのか?」といった思いがふと頭をよぎる、なんてことも決して珍しいことではありません。

■病院や施設内でのキャリアアップ制度が充実しているか

 

そんな漠然とした思いや不安を抱えた時に支えとなるのが、キャリアアップ制度です。

モノを作って売ることで売上げという「結果」が目に見えて分かるような仕事とは異なり、看護の仕事は数値やデータで「結果」や「成果」を表しにくい職業です。

だからといって、将来のビジョンが見えないままずっと同じ業務を毎日行い続けるだけでは少しずつモチベーションも下がっていってしまうでしょう。

「長く働く」ためには、仕事面で自分が日々少しでも成長している実感を得ることができ、その成長が結果的に給与アップにもつながっていくという好循環が欠かせません。

このようなことから、病院や施設の職員のキャリアアップ制度の有無は転職先を選ぶ上でぜひともチェックしておきたいポイントです。

 

例えば、看護師の能力を客観的に評価する「クリニカルラダー」が明確に導入されているかです。自身の到達段階をクリアにしつつも課題を確認することができるため、やる気やスキルの向上につなげることができ、日々の業務にも張り合いが生まれます。

また、認定看護師や専門看護師などの資格取得のサポート体制の有無もチェックしておきたいところです。サポート体制が充実していれば、日々の業務をこなしながら資格取得のための勉強も進めていくことが可能です。

 

・クリニカルラダー

・認定看護師、専門看護師などの資格取得サポート

 

 

■スキルやキャリアアップを支援する福利厚生

 

前編でご紹介した福利厚生制度を通じて看護師のスキルやキャリアアップの費用補助を行う病院や施設も多くあります。

例えば、前述の資格を取得するための就学資金や試験費用を全額(または一部)負担する場合もあれば、資格取得研修中の給与を部分的に支給するなど、様々あります。

資格取得のためにはそれなりの費用がかかることからも、金銭面で支援する取り組みがあるだけでも安心して資格にチャレンジすることができるので、大きなポイントだといえるでしょう。

さらに資格取得とまではいかなくとも、スキル向上のための通信教育や図書購入の費用補助などの取り組みを行っている病院や施設も数多くあるようなので、転職先を選ぶ際にぜひチェックしてみることをオススメします。

 

・就学資金や試験費用を全額(または一部)負担

・(資格取得のための研修中の)給与の支給

・通信教育費用の補助

・図書購入の補助

 

 

■まとめ

今回は看護師が「長く働ける」職場を探す際にぜひ注目しておきたいポイントをご紹介してきました。

「転職」というと今の職場よりもより良いものを求めるべく、誰もが「アレもコレも」といろいろな条件に目移りしてしまいがちです。

しかし、「働くこと=日々の生活に直結」という観点からも、待遇面で納得できる職場を選ぶことがモチベーション維持のためには大切です。

そのためにも、福利厚生制度の充実度合いやキャリアップ制度が整っているか等しっかりチェックしてみてください。