介護福祉業界の転職 職種別面接術【保育の仕事編】
2022.08.30掲載
就職・転職情報お役立ち情報

介護・保育・看護の職種別に面接術をご紹介している本シリーズ。

前回は介護業界での転職を成功させるためにぜひ押さえておきたい面接術をご紹介しました。引き続き今回は、保育の仕事に特化した面接術をご紹介します。

全くの「新人」ではなく、ある程度の「経験者」としての前提があるからこそ押さえておきたいポイントをこの機会に確認しておきましょう。

 

説得力のある志望理由

 介護の仕事と同様に、人手が足りないと言われ続けている保育業界。

求人情報を常時掲載している園も多く、転職希望者にとってはそれだけ選択肢が多い状況だといえます。

そのため、採用側からしてみると多くの園が保育士を募集している中で、わざわざなぜうちの園を選んだのだろう?というのが正直気になるところです。

そこで、転職希望者にあえて自園を選んだ理由を問うことで、園の保育理念や特徴について十分な情報収集を行い、しっかり理解した上で応募しているのか、園の方針に共感しているのかなどを見極めようとすることも多いようです。

同時に、転職後に園のやり方にスムーズになじんでいけそうか、感触を探ることもあります。

 

「導入編」の記事で「退職理由をできるだけ前向きに伝えること」を面接におけるひとつのポイントとしてご紹介しましたが、園を選んだ理由も同様です。

実際は通勤が便利だったり条件が今の園よりも良かったりなど、現実的な理由もいくつか重なった上でその園を選んでいるという場合も多いでしょう。

しかし、ここではあえて、保育士としての経験があるからこそ園によって特色が全く違うといということを理解していて、園の理念と自分の保育に対する思いがマッチしているからこそ選んだということをアピールできるようにしましょう。

 

「保育という仕事にこんな思いがあるが、この園であればそれを実現できる。」

「保育士としての自分の強みはこんな点なので、この園で働くことで活かすことができる。」といったように、さらに自分自身の強みとリンクさせて伝えるようにするとより説得力が増すのではないでしょうか。

 

 

具体的なエピソード

 介護や看護などの仕事に比べ、保育の仕事はスキルを細かく可視化することが難しいといえます。例えば「保育士として〇年間働いていた」「〇才児クラスの担任をしていた」という場合でも、子どもや保護者との接し方、同僚とのコミュニケーションの円滑さなどは千差万別で、「〇年の経験があるからこのぐらいのことができる」と具体的にイメージしにくいものです。

だからこそ、採用側は保育士としての経験を具体的に見極めたいという思いから、今までの仕事の中で嬉しかったことやりがいを感じたこと、逆に失敗した経験などを具体的なエピソードと共に教えて下さいと問うことがあります。

 

これは、例えまだ数年ほどしか保育士経験がなかったとしても、その中で起きた出来事をどのように消化して捉えているのか、トラブルに直面した時にどのように対処したのかなどといったことをチェックすることで、保育の仕事そのものへの思いや適性、理解の深さを見極めるという狙いがあります。

 

誰でも面接は緊張するものですから、「この質問で、何を見極めようとしているのだろう」とどうしても意識してしまうものです。

しかし、「上手く答えなくては」と思い込む必要はありません具体的なエピソードを自分の言葉で伝えることを意識しましょう。

保護者とのやり取りを工夫することで子ども同士のトラブルを解決することができた、自分のやり方に固執せず同僚に相談するよう心がけ、やり方を変えたら上手くいったなど、本当に些細なことでも構いません。

転職後はこれらのエピソードを糧にさらに保育士としての経験を積んでいきたいという積極的な姿勢も同時に伝えられると良さそうですね。