ネット環境さえあれば、膨大な求人情報を閲覧できる転職サイト。
情報も都度更新されるため、常に最新の情報にアクセスできるという良さがあります。
エージェントを通さずに進める場合は先方とのやり取りなどを全て自力で行わなくてはいけないという大変さもありますが、スキマ時間に自分のペースでゆっくりと転職活動を進めていけるというメリットもあります。
そこで全2回にわたり、転職サイトを介して転職活動を行う際のポイントを考えていきたいと思います。今回はまず、失敗例を元にしてご紹介していきます。
■失敗例① 転職の目的が曖昧で、適した転職サイトを選べていない
転職サイトの強みは、なんといってもその「情報量」。
情報量が多ければ、それだけ選択の幅も広がるので、選ぶ側としても安心感を得られます。
一方、良くある失敗例のひとつが情報量が多いゆえに、自分が転職する目的に沿った転職サイトをチェックできていないということです。
最近では、「20代向け」「女性向け」「キャリア転職」のように様々な転職サイトがありますが、まずは「介護」「看護」「保育」など、自身の業界に特化したサイトを選ぶことが前提です。
その上で、より細かいカテゴリー分けに注意してサイトをチェックする必要があります。
福祉・介護系の転職サイトは他の業界と比較してもそれぞれの強みや特化しているポイントがかなり細分化しているという傾向があるからです。
例えば、看護師が転職をする場合。
看護師転職サイトと言っても、「病院以外の施設での求人も豊富」「バイトやパートなど非常勤の求人もあり」「託児所つき求人がある」など、各サイトによって特化しているものがそれぞれ異なります。
自分が非常勤での転職を希望しているのにかかわらず常勤の求人に特化したサイトを見ていては、なかなか効率良く自分の求めている情報にたどりつくことができなくなってしまうのです。
このような事態に陥らないために、まずは自分の転職の目的を改めて言語化してみましょう。
「収入をアップしたい」「キャリアアップを図りたい」「今のライフスタイルに合った働き方に変えたい」など、自分が転職するにあたって「これは譲れない」という点を明確にするのです。
それができたら、次に各転職サイトが持つ特徴や強みをつかんでみましょう。
転職サイト自体のランキングや口コミを載せている評価サイトもありますので、それらを参考にするのも良いでしょう。
そうすれば、確実に自分の希望にマッチした情報を掲載している転職サイトに出合いやすくなるはずです。
共働き夫婦が増えてきた昨今では、託児所ありの求人や急なお休みにも対応できる、働くパパ・ママ向けに特化した転職サイトも増えています。
強みに特化した求人サイトでは希望の求人が見つかりやすい他にも、コラムや転職者の声といったコンテンツから関連性の高い情報を得やすくなるといったメリットがあり、先のビジョンを見据えて転職活動やしやすくなります。
■失敗例② 同じ求人情報でも、サイトにより掲載されている条件が異なる
転職サイトのメリットでもある「情報量の多さ」が逆に失敗を招くという例もあります。
一般的に、人材を募集している企業や事業所は、人材の獲得を目的に求人情報を出すため、より多くの人の目に留まるよう、複数のサイトに求人情報や広告を公開します。
すると、例えば介護士の転職の場合、同じ介護施設の求人情報でも掲載されているサイトによって若干条件面での記載に差があったり、給与額が異なっていたりすることもあるようです。
そのため、ある転職サイトで良さそうな求人情報をみつけたのでそのサイトを通じて申し込みをしたものの、後に別の求人サイトでも同施設の募集広告があり、そちらのサイトに掲載されている給与額の方が実は少し高かったという例もあります。
これは、求人サイトによってターゲットとなる年齢が異なるために少し額に幅を持たせている場合があるなど、表記の方法によるものであることも多く、実際には面接時に具体的に質問や交渉を行うことは可能です。
しかし、できれば情報を取捨選択する段階で情報に惑わされることなくスムーズに転職活動を進めていきたいとは誰もが思うものですよね。
そのため、転職サイトを介して転職活動を行う際には、できるだけ複数のサイトを比較検討する視点を持ち、ひとつの情報にとらわれてしまうことなく冷静な目で見極める姿勢が不可欠といえるでしょう。
次回は……
以上、今回は転職サイトを利用する際の失敗例を2つご紹介してみました。
これらを反面教師として活用する気持ちで転職サイトを利用してみれば、今よりもスムーズに進めていけそうな気がしませんか?
次回は成功例を元にしてご紹介していきます。